最近、欧米諸国の大手会社が運営しているホームページでは、単に消費者に特典を与えるのではなく、消費者がゲームに参加しなければ特典を得られないという、誘導型プロモーションが流行しています。
この作戦で大成功を納めたのが、米国バーガーキングの「ワッパーの犠牲(WHOPPER SACRIFICE)」。
このゲームは、アプリケーションをダウンロードして、Facebookの友だちリストから10人を削除すると、ワッパー1個無料のクーポンが貰えるというもの。
削除した友人の写真は無惨にも画面上でメラメラと燃えてしまうため、究極の選択を虐げられるだけでなく、ワッパー1個のために友人を犠牲にしてしまう自分に対する罪悪感も高まり、瞬く間に口コミで広まったそうです。
参加の有無に限らず、感情を刺激された分、強烈な印象を持たせるというユニークな発想は、広告業界にも大きな影響を与えました。特にその先端でもあるホームページは、従来の情報提供サイトから、ファンを定着させるサイトへと移行しつつあります。
画面を通して結ぶ感情のコミュニケーション。
「おトク」なだけでは、固定ファンを獲得できませんね。
(大門寺 文右衛門)
昨日、開催されたココロードレース。地元のガールスカウトの女の子は、朝の4時半から給水所にスタンバイしたそうです。ロードレースに参加した方々、支援された方々、みなさま本当にお疲れさまでした。
(ピカル)
Burger Kingの「WHOPPER SACRIFICE」。Facebook上でBurger Kingの広告キャンペーンを仕掛けたのは、広告代理店の「Crispin Porter + Bogusky(CP+B)」。
Crispin Porter + Bogusky | Advertising & Design Factory
Burger Kingのキャンペーンはアメリカ国内のみ。ターゲットとなる主要顧客の国民性、年代、価値観、倫理観、思慮深さ、ゲーム性、思考の柔軟さ、、、様々な要素が複雑に絡み合いながら、計算に計算し尽くされて生み出されるプロモーション。面白いです。
CP+Bのインタラクションデザイン部門責任者、Matt Walsh氏曰く、
「WHOPPER SACRIFICEの成功の背後にある秘密のソースとは、見せかけの単純さ(Deceptive Simplicity)」
確かにそうですよね。
友だちを10人犠牲にすれば、
ハンバーガーが一個タダでもらえる。
メッセージはすごくシンプルです。
このキャンペーン、公開10日後には、Fecebookによって(プライバシーの侵害にあたるとして)無効にされてしまいましたが、「あなたがワッパーを愛する気持ちは、23万3906人のフレンドシップよりも強かった」というメッセージと共に、ページは今でも残っています。
もしも日本のマクドナルドが、mixiを利用してマイミク10人を削除(犠牲に)したらビッグマックの無料クーポンがもらえるキャンペーンをしたとしたら、反響はどうでしょうね(ま、McDonald'sは絶対にやらないプロモーション手法ですケド)?!
コカコーラーとペプシ、メルセデスベンツとBMW、ルイヴィトンとシャネル、WindowsとApple、マクドナルドとバーガーキング、、、
商品のジャンルを問わず、それぞれのブランドにはそれぞれの個性があって、それらがいくら平和的に、友好的に、あるいは挑戦的に広告を展開したとしても、最終的にはそれを消費者がいつでも自由に選べるところが、広告の醍醐味なのだと思います。
だからこそ、消費者である我々は、自分で考え、自分で選ぶクセをつける努力が必要なのですね。
個人的には、マクドナルドもバーガーキングもどちらも好きです(笑)。
Crispin Porter + Bogusky : burger-king(成人向け)
(Tom Slater/74.65kg)