アメリカ合衆国太平洋軍司令官のロバートウィラード氏が、先週の火曜日(4月12日)の上院軍事委員会公聴会で、在日米軍再編にともなう沖縄に駐留しているアメリカ海兵隊のグアム移転計画について、グアムでの民間インフラや訓練施設の整備費用が大幅に不足しているとの見解を示しました。
2006年の日米合意の際には、グアム移転計画の総経費102億7千万USドルのうち、米側が42億USドル、日本側が融資33億USドルと財政支出28億ドルの計61億USドルを負担するとされていましたが、追加の支出が必要になる可能性があるとのことです。
グアムの基地といえば、アメリカ海軍の基地があるアプラ湾に停泊していた、ロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦、「ヒューストン(Houston)」と「シティ オブ コーパス クリスティ(City of Corpus Christi)」の2隻が、先月3月11日におきた東日本大震災の津波の影響で、係留ロープが切れてしまい、一時、湾内を漂流していたことが、4月13日、アメリカ国防総省筋が明らかにしました。
すぐにタグボートが曳航(えいこう: 牽曳(牽引)しながら航行すること)し、2隻の原子力潜水艦は1時間ほどで埠頭に戻されましたが、ヒューストンのプロペラが損傷したため交換しました。
軍の当局者によると、原子力推進機関にはまったく影響はなかったとのことです。
現在、シティ オブ コーパス クリスティは、今年の1月13日におきたオーストラリア北東部の洪水被害の救援活動のために、ブリスベンに寄港中です(ヒューストンは未確認)。
ちなみにヒューストンですが、2008年3月27日〜4月2日、長崎県の佐世保港に入港した時に、微量の放射性物質を含む水を漏らしたことがありました。
このことが分かった時(といっても、分かったのはそれから4カ月後の同年8月1日なのですが)、アメリカ海軍はすぐに日本政府に伝えましたが、外務省の担当者は、「人体に影響がないことから、即時通報の必要性はないと判断した」として、日本国内の関係機関への通達をストップしていました。
「人体に影響がないことから、即時通報の必要性はないと判断した」
「人体に影響がないことから、それを即時通報すべきだと判断した」
同じことでも、伝える人の考え方ひとつで、その後の行動が180度違ってきます。これは受け手にもいえることです。
「情報を伝えること」の難しさ。
誰(のため)に伝えるのか? どのように伝えるのか? 伝えた後のフォローは? 常に常に考えています。