アメリカのオバマ大統領が新しい国防長官として指名した、アメリカ中央情報局(Central Intelligence Agency: CIA)のレオンパネッタ長官は、先週の金曜日(2011年6月9日: 日本時間の10日)に開かれた、パネッタ次期国防長官の承認に関する上院軍事委員会の公聴会で、カールレビン委員長らが提案している沖縄に駐留中の海兵隊のグアム移転計画の見直しについて、「議会と協力して協議していく」と、コメントしました。
上院軍事委員会のレビン委員長らは、グアム移転に関する大きな財政負担を理由に、計画を見直し、普天間を嘉手納基地に統合することなどを提言していました。
アメリカ政府は、普天間飛行場を同県名護市辺野古に移設する現行計画を最善としていますが、今回、パネッタ氏が、グアム移転の問題を先送りせず、議会の意向に配慮する考えを示したことで、議会と国防総省で、あらためて協議されていく見通しとなりました。
米軍のグアム移転といえば、その費用として日本側が2009年度(346億円)と2010年度(468億円)に負担している814億円のうち、9割以上の758億円が遣われずに滞留したままです。
アメリカ海軍が、グアム島内に所有している土地の基盤整備事業などに充てるための工事費として計上されていますが、隣接する民有地の買い上げが難航し、計画が止まったままの状態です。
この影響を受け、日米両政府の交換書簡に記された日本の資金による事業は、ひとつも執行されていません。
グアム移転に関する議会と国防総省での協議が、本当に「見直す」べくなされていくのか、それとも、例えば彼が国防長官に就任されるまでの議会に対するリップサービスなのか、皆さんも気にしながら、彼らの動向を見つめましょう。