6月17日(金曜日)、アメリカ合衆国上院軍事委員会は、2012会計年度(2011年10月〜2012年9月)の国防予算を決める国防権限法案に盛り込まれた、在沖縄米海兵隊のグアム移転費用として計上されていた1億5600万ドルを、不要であるとして全額打ち切ることで合意しました。
これにともない、沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題においては、目に見える進展を遂げるなどの条件を満たさない限り、今後も資金拠出を禁止するとの条項も盛り込まれました。
「目に見える進展」とは、以下の通り。
1. 海兵隊司令官による、最新の部隊配置に関する説明
2. 上記を実現するのに必要な、詳細な費用見積もりなどに関する基本計画の提出
3. 普天間移設が着実に進んでいることの証明
上記には、名護市辺野古沖に建設予定の代替施設の滑走路の具体化と、建設に必要な仲井真弘多知事の埋め立て権限の取得時期の見通しを具体的に示すといったことが求められます。
法案は、近く上院本会議で可決される見通しですが、下院ではすでにグアム移転費を政府要求分を全額認めた上で国防権限法案が可決しているため、今後、調整が必要となりますが、グアム移転費をめぐるアメリカ合衆国内での議会内調整は、難航すると思われます。
日米両政府は、外務防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)を、6月21日にワシントンで開き、現行計画推進で合意する方針ですが、この分だと難しいでしょうね。