沖縄に在留中のアメリカ海兵隊の、グアム移転費用をめぐる日本政府の財政負担について、当初、日米両政府が合意した28億ドルから、12億ドル多い40億ドルに増額するよう、アメリカが日本に要求していることが、先週の水曜日(3月7日)、日米関係筋により明らかになりました。
これは、2006年の日米合意から6年が過ぎ、その見直しに伴うものです。日本政府はこれに応じないと答えていますが、協議は難航すると思われます。
2006年の当時の合意では、グアム移転に伴う施設、インフラ整備の経費総額を、102億7千万ドルと見積もられていましたが、昨年2011年の5月25日の時点で、この見積もりが192億7千万ドルになるとの試算結果が、アメリカ議会の政府監査院(U.S. Government Accountability Office: GAO)より出されました。
日本側は、財政負担(支出)としては28億ドルでしたが、この他に融資が33億ドルあり、合計61億ドルを負担するとしていましたので、これを当時のレート(とりあえず115円)で計算してみると、日本円で約7千億円)です。
今回のアメリカからの要求(日本の財政負担を12億ドル増額)を含めた合計金額、73億ドルを、今の為替レート(とりあえず81円)で計算すると、約6千億円。
アララ? 日本にはドル安差益が出ています(笑)。
12億ドル増額「だけ」聞くと、イコール「1千億円の増額」と思われがちですが、当然アメリカは、当時と現在の為替レートまで計算して要求してきているのでしょう。ということは、もう12億ドルくらいは全然平気で要求してくるかもしれませんね。
何ごとにおいても、時間が経てば経つほど「利子」が(複利で!)付いてくるというのは、アメリカでは常識。GAOによる見積もり額が約2倍になったことで、アメリカの負担額も3倍以上になり、どんな手段を使ってでも、日本からお金を引き出したいはずですので、皆さんも気にしておいてくださいね。
グアム移転でアメリカ負担が3倍増に(2011年5月30日)