沖縄に駐在しているアメリカ海兵隊のグアム移転費として、日本がアメリカ合衆国に1億1430万USドル(約93億円)を新たに供与するという交換公文に、2013年3月15日、日米両政府が(岸田文雄外相とルース駐日米大使との間で)署名しました。
日米間では、グアム移転に関する総移転費86億ドルのうち、日本は28億ドルを上限に負担する約束が取り決められていて、2010年度までにすでに8億4千万ドルが供与されています。
しかしながら、実際には、対象施設の建設が遅れ、8億4千万ドルのうち1億ドルしか遣われておらず、新たな供与を見合わせていました。両政府は、今回対象となるアンダーソン空軍基地内の、海兵隊施設の基盤整備事業が進められると判断しています。
アメリカ国内での軍事費の削減やグアム島内での反対などにより、移転の実施が遅れている中、昨年12月、米議会がグアム移転費の凍結を2年ぶりに解除したことを受け、日本の2011年度予算から繰り越されていた1億8000万ドル(149億円)の一部が、資金提供されます。
安倍政権は、今回の資金提供が沖縄の基地負担軽減につながると強調し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県内移設に理解を得たい考えのようです。
今からほぼ一年前の2012年の4月の時点では、日米両政府は、今後の予算の使われ方に関して移転計画の全体像を明確にする方針を確認しましたが、実際には具現化されていません。