坂田シェフ率いる、ロイズの厨房を拝見!

「火力で料理の仕上がりも全然違ってくるんだよね。」一つの食材でも、火の通し方でいろいろな料理になるという。
日焼けした顔。キャップを後ろ前にかぶり、襟足からホーステールのようなブロンドカラーの三つ編みが見えるヘアースタイル(毎日、出勤前に奥様が編んでくれるとか、、、)。どんな時も遊び心を忘れず、毎日をエンジョイしているかのような彼のライフスタイルそのものも、若いスタッフたちの信望を集めている。

坂田シェフこだわりのメニューの一部を紹介しましょう。

クラブケーキ

三色ピーマン、エシャロットにカニ肉をたっぷり加え、カラリと揚げたこのクラブケーキ。サクッとした歯触りと口の中に広がる贅沢なカニの味わいがたまらない逸品。綺麗にデコレートされたスパイシーセサミソースとの相性も抜群です。

ノブスタイルクリスピーソフトシェルクラブ

香ばしく揚げたソフトシェルクラブを、アボカドと共にのりで巻き、さらにかつらむきした大根で巻いた、手の込んだ前菜。フライの独特なオイリーさとアボガドの濃厚な旨味を大根のさっぱりとした味わいが緩和し、何個でも食べられるお米派には嬉しい一品です。

シアード ガーリック シュリンプサラダ

新鮮な海老が見た目にも華やかなサラダ。コクのあるクリーミーハーブヴィネグレットドレッシングとガーリック風味の海老のコンビネーションがクセになりそうな味わいです。

DIM SUMロール

しいたけ、アスパラガス、スモークダックを巻き込んだDIM SUMロール。アスパラガスの爽やかなグリーンが食欲をそそります。柔らかなスモークダックとホイズンソースのまろやかな味わいに、ピリッとした胡椒がアクセント。この複雑な味わいは、まさにユーロエイジアンならではです。

上下関係の厳しい料理業界において、ここロイズでは、スタッフ全員がひとつになって料理をもてなしています。ここにも、坂田氏独特の教育方針が感じられます。
「ウエイターも厨房に入ってもらい、コックの仕事を見せる。そうすれば、料理ができるまでの行程や苦労が分かるでしょう? あと、スタッフ全員に、料理を食べてもらっているのね。じゃないとお客さんから聞かれたときに困っちゃうでしょ?」と坂田氏。
私たち取材班のテーブルを担当してくれたクリス氏に、こっそり聞いてみた。「ミスター サカタは、私にとって偉大なる師匠です。いろいろなメニューを食べさてもらって30ポンドも太ってしまいました(笑)。今まで就いてきた仕事の中で『ベスト ジョブ イン ザ ワールド(最高の仕事)』と、誇りをもって働いています。」そう微笑む彼は、まだ勤務歴6ヶ月。それにも関わらず、全てのメニューの材料を把握していました。ここにも坂田マジックといわれる秘密が隠されているようです。

ロイズ特製ベイビーバックリブ

生姜、ニンニク、グリーンオニオンなどの香味野菜に醤油、砂糖、ホイズンソースを加え2日間じっくりねかしたソース。そして、ボイルしたリブをいったん冷水で冷やし、桜のチップで薫製してから、さらにグリル。リブが出来上がるまで3日間を要すという気合いのはいったロイズ特製ベイビーバックリブは、食べる価値あり。納得の味わいです。

スペシャルメニュー

マグロの赤身とトロをかつらむきにした大根で巻き込んだこのお料理はメニューにない裏メニュー。口の中に入れたとたんに広がるマグロのとろけるような味わいは、感動的。
赤身とトロの対比をさっぱりとした大根とゴマ風味のソースで楽しめる一品です。付け合わせの野菜のしゃきっとした歯ごたえがアクセント。まさに熟練した技に計算されたセンスの光る創作料理です。

モンゴリアン グリルド ラック オブ ラム

オレンジラズベリーキャバメットバターソースでいただくラム料理。絶妙の焼き具合がラム独特の臭みを旨味に変えた驚きの逸品です。香ばしいラムもさることながら、付け合わせのチーズ風味のマッシュポテトと温野菜がクセになる美味しさ。

 

最後にグアムビジターズバイブルの読者へのメッセージをお願いします。
「とにかく、一度ロイズへいらしてください。そして、僕を呼んでください。」

取材当日は、平日にも関わらず店内は満席。坂田氏は料理をつくる傍ら、お客様への挨拶を欠かさず、私たちの料理に関する質問にも丁寧に答えてくださいました。
同じものは作りたくないと語る坂田氏。物事にこだわらないという事が、型にはまらない創作料理を作り続けていく上でのこだわりなのでしょう。
独創的なアイデアと素材を生かした繊細な味わいで人々を魅了し、その気さくな人柄と自然な生き方が、多くの坂田ファンを持つ理由なのでしょう。

2000年7月8日
「Roy's Restaurant Guam」にて

 

メルティングホットチョコレートスフレ

ハート型の愛らしいチョコレートスフレと色鮮やかなフルーツが食後でもつい手が出る一品。ナイフを入れたとたん、中から暖かいチョコレートが溶け出すという楽しい演出。甘みを押さえた質の良いチョコレートは、流石ロイズ。「チョコレートは苦手だけれど、このスフレは大好」きと、ファンに言わしめるだけの味と品を兼ね備えたデザート。

誕生日、結婚記念日などには、予約時にリクエストをすれば、サイフォンで落とすコーヒーと坂田シェフ特製のケーキもオーダーできます。

「モノ」を創る仕事は無数にありますが、料理は五感で楽しめる究極のアートであり、それを創作する坂田氏は、まさに芸術家と言えるでしょう。

「料理はね、舌は勿論、目、鼻、そして耳でも楽しませることができるんだよね、、、」インタビューを終え、様々なオリジナル(スペシャル)メニューを試食させていただきながら、改めて坂田氏の『食』に対するこだわりと、その「美味しさ」の秘密が少しだけ分かったような気がしました。その秘密とは?!? チとこっぱずかしくて、ここには書けません、、、(笑)。「坂田マジック」の虜になってしまったロイズファンの皆さん、その秘密とは何だと思いますか? (お便りはこちらまで)

Special Thanks to Annie Imado

Roy's Restaurant Guam
「ヒルトン グアム リゾート & スパ 」内
営業時間:18:00~22:00(ラストオーダー) 無休
予約、問い合わせ: TEL (671) 646-1820 Ext.5356

問い合わせ: hilton@gvb.com

ヒルトン グアム リゾート & スパのホームページはこちらから

「匠」グアムの達人たち